芸術と園芸 4
単純に比較すると、自然の花より人工の花の方が美しいというのが常識的であろう。
だからと言ってもよかろうが、自然の花を栽培化すると、たちまち改良されたものばかりが残り、自然の原種は花屋などで見ることができなくなってしまう。
こんにちの花屋にあふれているさまざまな花 種の原種をみようとしても、それはたいへん困難なだけでなく、たとえばバラやチューリップのように、複雑な雑種になっているものでは、その野生原種のすべてをみることはまず不可能である。
それにもかかわらず、野性原種もつ美しさは人工的雑種以上のものがあるという見方ではっきりと存在している。
野生原種の花の美しさは、なによりも野生の「場」、環境に調和して咲いていることである。
その花のまわりの空気の湿度、温度、日照、ほかの植物とのからみぐあい、生育ぶりなど、すべてがその地でみる花の美しさに関係している。
これはだれにも容易に理解できることだろう。