芸術と園芸 3
全体像の中で樹木や花はその一部を構成しているだけである。
しかしこれは一般論であって、人により注意をかたむける部分はおのずから比重の差がある。
山の姿をみて、その美しさになにより打たれてほかはほとんど注意しない人もあれば、森林や手近な草花をあわせてみて、全体の調和に感動する人もあるだろう。
そこで登場してくるのが自然の花、自然の樹木の美的評価の問題である。
自然の花はそのままでも、たいへん美しいものがたくさんある、そう思っている人が多いであろう。
ほんとうにそうであろうか?
自然の中に見いだした一本の美しい花の茎を折り、目を近づけてみよう。
そんな花はたいていすでに他人がよく気づき、野菜 種など栽培化している場合が実はほとんどである。
同じ種類の、すでに栽培化されているものと、自然の中から一本折りとったものとを比較すると、栽培化されたものは交配、雑種化され、より大きな花となり、花色はあざやかに、枝葉は強壮に生長している。