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2010年07月 アーカイブ

日本は自然に恵まれているか

土地本来の素肌・素顔の緑。


つまり、本物の自然の森が失われている現代において、自然と調和した暮しを夢見る人類の真の願望は、単に美化運動の延長としての一時的な華やかさ、かっこのよさだけでは満たされません。


たしかに裸の大地を被っている緑に対しても、たとえ管理費がかかってもあでやかな美しさが必要なところもあるでしょう。


しかし、人類生存の其盤であり、生態系の主役であり、ふるさとの景観の骨格をなす主体的な緑とは、一面的な美化運動の延長としてのいわゆるつけまつげ的な緑だけではないはずです。


人類の持続的な生存本能に根ざす衝動に支えられた緑。


しかも、生態学的にはその土地固有の自然の緑である潜在自然植生が具体的に顕在化した緑。


それが私たちの祖先が新しい町づくり、村づくりに必ず創ったふるさとの木によるふるさとの森なのです。


日本は自然に恵まれているか 2

かつて、日本の国土のほとんどすべては森林に被われていました。


ところで、現在はどうでしょう。


シイ類、タブノキ.カシ類などの常緑広葉樹林が、東京付近及び中部日本では海抜700~800メートル以下の地域まで、九州の北部から中部では900~1000メートルまでを被っていました。


しかし、急速な日本での都市造り・産業立地開発・林業経営など自然の開発によって、その土地本来の自然の森は急激な消耗を強要されています。


照葉樹林帯ばかりではありません。


東北地方北部から北海道まで、海岸ぞいから海抜1000メートルぐらいまでを被っていた冬は寒くて落葉する広葉樹林のブナ・ミズナラ・カシワ・ケヤキ・ハルニレなどの樹林はどうなっているのでしょうか。


九州・四国・本州西南部の山地から中部地方・東北地方の夏緑広葉樹林帯も、さらに北海道の海抜約500メートル以下の低地山麓のミズナラ・ハルニレ林も、その土地本来の厳密な意味での自然の森は、現在ではほとんど残されないほど人間の影響によって変えられてしまっているのです。

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