日本は自然に恵まれているか
土地本来の素肌・素顔の緑。
つまり、本物の自然の森が失われている現代において、自然と調和した暮しを夢見る人類の真の願望は、単に美化運動の延長としての一時的な華やかさ、かっこのよさだけでは満たされません。
たしかに裸の大地を被っている緑に対しても、たとえ管理費がかかってもあでやかな美しさが必要なところもあるでしょう。
しかし、人類生存の其盤であり、生態系の主役であり、ふるさとの景観の骨格をなす主体的な緑とは、一面的な美化運動の延長としてのいわゆるつけまつげ的な緑だけではないはずです。
人類の持続的な生存本能に根ざす衝動に支えられた緑。
しかも、生態学的にはその土地固有の自然の緑である潜在自然植生が具体的に顕在化した緑。
それが私たちの祖先が新しい町づくり、村づくりに必ず創ったふるさとの木によるふるさとの森なのです。