沐浴場で豊饒を祈る
モヘンジョ=ダロ遺跡は、周囲4キロほど。
4000年前の古代都市としては、とても大規模な都市の遺跡です。
遺跡はふたつのなだらかな丘に分かれていて、西側の小さな丘に城塞が、東側の大きいほうの丘に広大な市街地があります。
城塞部はほとんど発掘されていますが、市街地のほうはまだ一部分しか発掘されていません。
城塞の頂上には、こんもりとした塔の跡がありますが、これはクシャーナ朝時代のストゥーパで、インダス文明のものではありません。
城塞は高さ10メートルくらいのレンガの基檀の上に築かれており、巨大な建物が密集しています。
城塞のほぽ中心部、さまざまな建物の中庭にあたる位置に、この遺跡でもっとも神聖な場所だったと考えられている沐浴場があります。
この沐浴場は、レンガをていねいに積み上げて造った12メートル×7メートル、深さ3メートルほどの4角いプールで、両わきに階段が設けられていて、中に下りることができるようになっています。
プールの底は、水が抜けないように天然の渥青(アスファルト)で固められているのだそうです。
インドでは、現在も沐浴が宗教上の重要な儀式となっていますが、たぶん、モヘンジョ=ダロの神官たちも、この沐浴場で身を清めて豊饒を祈ったりしたのではないでしょうか。