日本は自然に恵まれているか 5
第二次大戦後の廃嘘の中から日本がここまで急速に発展した理由。
それは、長い間温存・蓄積されてきたかけがえのない国土固有の自然資産を一挙に売り出した様な、1960年代後期までのいわゆる開発という錦の御旗による自然との対決の結果であったということがいえるでしょう。
たしかに莫大な金と新技術が集中投資されたところでの一面的な自然の開発は、わが国のGNPを急速に高めるのに力がありました。
しかし、その結果として、当時考えてもみなかったいわゆる公害に象徴されるよ的には生活環境の急速な荒廃・汚染が発生し、人間の命にまでも影響を与えていることが明らかになってきました。
悪名高い川崎や四日市のゼンソクに象徴されるような、そして世界の恥辱といわれた有機水銀による水俣病のような、さまざまな人の命に影響を及ぼす深刻な公害問題が生じてきたのです。
しかし、当時の日本人は、これがいわゆる非生物的な材料を使っての工業生産、経済至上主義の一面的な追求による必然的な結果として生じたことにはなかなか気がつきませんでした。
その根底には、何か今日の日本人が忘れてきてしまったことがありはしないでしょうか。

